精神障害者保健福祉手帳とは?
以外と知らない方が多いのですが、実は我々うつ病(鬱病)を含む精神疾患患者には税金や公共サービスのお金の負担を軽くしてもらえる有難い制度が存在します。
今回はそんな、一部では知られていない制度の交付条件、「1級」「2級」「3級」の等級の違いや、メリット・デメリット、最後は申請方法をわかりやすく簡単に解説したいと思います。
尚、精神障害者保健福祉手帳の審査基準などについては、都道府県によって異なる部分もあるという話も聞きますが、本記事では一般的とされている内容を解説します。
Contents
精神障害者保健福祉手帳とは?
【運営者の「精神障害者保健福祉手帳(等級:2級)」】
「精神障害者保健福祉手帳(せいしんしょうがいしゃほけんふくしてちょう)」を一言で言うなら・・・
色々な施設やサービスでお金やストレスを軽減してくれる割引・優遇カード
・・・と、いったところです。
精神障害者保健福祉手帳は「精神保健福祉法」と言う法律によって定められている、様々な公共サービスで優遇を受ける事ができたり、経済的負担を軽減してくれるありがたい制度。
有効期限は2年間ですが更新も可能です。
「精神障害者保健福祉手帳」だと名称が長い為、「障害者手帳2級」「手帳3級」など、省略した言い方をする事が多い。
運営者の経験上、等級や呼び方のせいで「障害者年金」と同じ様に考えてしまう方が多いですが、これらは全くの別物と考えておいた方が良いです。
「障害者年金」が2級であったとしても「精神障害者保健福祉手帳」は3級の時もあるし、逆に「精神障害者保健福祉手帳」が2級だったとしても「障害者年金」が3級の時もありますので、これら2つを混同しない様にご注意下さい。
また、「障害年金」は手続きは非常に難しく面倒ですが、「精神障害者保健福祉手帳」の場合の手続きはかなり簡単な方と言えるので、不安に感じている方はそこまで心配する必要は無いと思います。
・・・それではどんな人が対象になるのでしょうか?
精神障害者保健福祉手帳の対象者
「精神障害者保健福祉手帳」を交付してもらう為には、いくつか要件があります。
それが下記の2点です。
- 精神疾患患者である事
- 精神疾患による初診日から6ヵ月経過している事
対象となる主な精神疾患は下記をご参考下さい。
・鬱病(うつ病)
・双極性障害(Ⅰ型・Ⅱ型)
・統合失調症
・てんかん
・薬物やアルコール依存による急増中毒、またはその依存症
・高次脳機能障害
・発達障害
・自閉症
・注意欠陥多動性障害
・…などのその他精神疾患
精神障害者保健福祉手帳の「等級」の違い
精神障害者保健福祉手帳には障害が重い順に1級、2級、3級までの等級がありますが、余程の重い症状じゃないかぎり、大抵の場合は2級か3級になると考えていた方が良さそうです。
具体的には下記が1級~3級の判定基準になります。
1級 精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(概ね障害年金1級に相当) 2級 精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金2級に相当) 3級 精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金3級に相当) 厚生労働省HPより引用
精神障害者保健福祉手帳のメリット・デメリット
次は精神障害者保健福祉手帳を利用する上でのメリット(良いところ)、デメリット(悪いところ)を解説します。
精神障害者保健福祉手帳のメリット
メリットは主に3つです。
- 障害者枠で働ける
- 税金の控除(減税)
- その他の割引など
どれも精神疾患闘病中の人にとってはありがたいと思います。
①障害者枠で働ける
障害者枠での就職活動ができます。
一般企業(民間企業)、地方自治体などには一定割合の障害者雇用義務があり、精神障害者保健福祉手帳を持っていると「障害者雇用枠」の求人に応募できます。
また、過去記事 就労支援事業所とは?「移行」と「継続」、「A型」「B型」の違い! でも触れた就労支援サービスを受ける事も。
【就労支援サービス】
障害者の職業スキルアップや仕事探しを手伝ってくれるサービス
尚、就労支援サービスを受ける為には障害者手帳を持っていた方が有利ですが、持っていない人でも自治体の判断によって対象になる可能性はありますし、実際に働いている方もいます。
http://utu-sirube.com/employment-support-search/
②税金の控除(減税)
「税金の控除(減税)」もあります。
詳しくは下記の表をご参照下さい。
③その他の割引や優遇
精神障害者保健福祉手帳を持っていると、それを提示する(見せる)事で公共交通機関が全国各地で無料、または割引されたりもします。
□交通機関の料金
(電車、バス、船、飛行機など)
□携帯電話、スマートフォン利用料金
(au:スマイルハート割引、ソフトバンク:ハートフレンド割引、docomo:ハーティ割引・・など)
□映画館
(東宝シネマズなどは1,000円で観れると思います)
□スポーツジム
(無料になる場所も結構多いらしいです)
□駐輪場
□駐車場
□遊園地
(USJは本人+付添者1名まで入場料が半額近く割引されます)
※また、USJやディズニーリゾートの場合はスタッフさんに声掛けをすれば、アトラクションの待ち列に並ばずに別の場所に待機させてくれたりします。
□その他レジャースポット
(水族館、美術館など)
□公共施設料金
□公営住宅への優先入居
□NHK受信料の減免…他
尚、上記の優遇や割引は地域によって異なる場合がありますので、その辺りはお住いのエリアでご確認下さい。
因みに運営者のエリアの優遇や割引は?
運営者の住んでる千葉県の某エリアでは、下記の様な優遇や割引があります。
□後期高齢者医療制度への移行
(1級と2級のみ)
□生活保護の障害者加算
(1級と2級のみ)
□NTT電話番号案内料の免除※電話番号案内に事前登録が必要
□預貯金等の特例措置
(主もあまりよくわかっていませんが、少額の貯蓄額は非課税になったりするみたいです)
□はり、きゅう、あん摩・マッサージ等助成券の交付
(一人1日1回までだけど、年間24回までなら800円を助成してもらえる)
□タクシー協会割引制度
(乗車時に手帳を提示する事で10%の割引を受けられる場合がある)
精神障害者福祉手帳のデメリット
先に言ってしまうと、デメリットは基本的に「無い」と思って大丈夫だと思います。
しかし、人によっては短所に感じる部分もあるかも知れませんので、それらについて解説します。
運営者が強いて思うデメリットは2つ。
- 診断書の費用
- 心理的負担
・・・このくらいだと思います。
手帳の申請や更新時にかかる診断書の費用
診断書作成費用が病院により異なりますが、約5,000円~10,000円ほどかかります。
運営者の病院(心療内科・精神科)では7,300円でした。
これは診断書の中でも、結構高めな方だと思います。
ただ個人的には、確かにその時の出費はキツいですが障害者手帳の恩恵を考えると、充分お釣りがくる出費では無いかと思います。
手帳を持つ事での心理的負担
これはケースバイケースですが、例えば割引を利用しようと精神障害者保健福祉手帳の提示をした時に、周囲に変な目で見られる事があったり、割引が適用される買物などで自分だけ店員さんにお礼を言われなかったり・・・みたいな話をたまに聞きます。
気にしなければ済む話でもありますが、精神疾患患者は僕も含めて気になってしまう方は多いですよね(;^_^A
ただ、僕が経験した限りだと快く対応してくれる方が殆どなので、あまり心配しないで大丈夫だとは思います。
また、精神障害者保健福祉手帳を持つ事で「なんかズルい事をしている様で健常者の方々に申し訳ない・・」と後ろめたさを感じる人もいます。
しかし、手帳は我々に与えられた権利であり、実際僕達はハンディキャップを背負った者なので、お世話になっている健常者の方々には感謝を忘れず、その上で堂々と使えば良いと思います。
「精神障害者保健福祉手帳」の申請方法
最後に「精神障害者保健福祉手帳」の申請方法です。
お住いの場所によっても異なりますが、主な流れは下記の通りです。
①通院している病院の主治医に精神障害者保健福祉手帳の相談をして自分が対象になるかどうかを確認する
②対象なら精神障害者保健福祉手帳の診断書を主治医に書いてもらう※診断書は有料で、一般的には7,000円前後になるかと思います。
③必要書類を揃え、お住いの市区町村の役所へ行く
④診断書を提出すると、申請用紙を貰える
⑤必要事項を記入・提出後、審査が行われる(ここで等級が決まります)
⑥申請後、審査の合否に関わらず1ヵ月~4ヵ月程で自宅に通知が届きます
⑦審査に合格していたら「精神障害者保健福祉手帳」を役所で受け取れます
精神障害者保健福祉手帳で受けられるサービス全国版
最後に精神障害者保健福祉手帳について、全国で受けられるサービス(優遇など)をわかりやすくまとめたサイトがありましたので、下記にリンクを貼っておきます。
運営者の体験記&まとめ
精神障害者保健福祉手帳は僕も持っていますが、正直あまり使いこなせてはいないと思います。
・・・と言うのも、大抵の割引サービスは外出しないと利用できないんですよね(;^_^A
しかし、そんな中でも「税金の控除(減税)」はかなりデカく、それだけでも持っておく価値は充分にあります。
現在の僕よりも体調が良く、お出掛けがたくさんできるような方なら、より精神障害者保健福祉手帳のポテンシャルがわかると思います。
「外出できる日が増えた」と言う事は、多くの場合あなたの病気が回復している証拠。
その回復の為の外出で使う費用負担を減らしてくれて、経済的に助けてくれる制度はどんどん利用させてもらいましょう!
僕も今以上に回復したら、気晴らしに遊園地へ行ったり、トレーニングジムなども利用したいですね(^^)
まとめ
それではまとめます。
□精神障害者保健福祉手帳は優遇&割引カード
□精神疾患で6ヵ月以上闘病している方はほぼ対象
□メリットは多く、デメリットは少ない
□運営者的にもオススメ
・・・こんなところでしょうか。
また、精神障害者保健福祉手帳以外にも療養生活の医療費を軽減してくれる制度もあります。
興味があれば下記の過去記事をご覧下さい。
以上、精神障害者保健福祉手帳とは?申請方法、等級の違い、デメリットも!でした。
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